2019年5月12日日曜日

「生きのびる」と「生きる」


きょう読んだ本は、穂村弘『はじめての短歌』という本で、図書館で借りてきた。この本の大半は、同じことだけが繰り返し書かれている。大事なことだからだろう。

まず「生きる」と「生きのびる」があって、短歌は「生きる」のほうを書くものだという。「生きのびる」のほうは、情報が伝わりやすい「ビジネス文書」のようなものだ。それは効率の良い文章である。
ということは、短歌においては、非常に図式化していえば、社会的に価値のあるもの、正しいもの、値段のつくもの、名前のあるもの、強いもの、大きいもの。これが全部、NGになる。社会的に価値のないもの、換金できないもの、名前のないもの、しょうもないもの、ヘンなもの、弱いもののほうがいい。
そういうものか、と田中は思った。田中は急に短歌を趣味にしたくなって、短歌の本ばかり図書館から借りてきたのだが、さっそくよいことを聞いた。田中が短歌をいま必要としている理由も少しわかった。田中は仕事を探している。お金が必要だからだが、それ以外のことを考えるのに疲れてしまっている。だから、短歌を詠みたくなったのだ。それがわかった。

 

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