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2019年7月17日水曜日

ビジネスという名の風


今度こそ仕事を上手くしなくてはならない。仕事をして金を儲けて貯金したい。銀行口座に金が貯まるだけ幸せが増えていく。まだ仕事も決まらないのに田中は、ビジネス書を読んで仕事に備えている。きょう読んだ本は松本利明『ラクして速いが一番すごい』だ。精神障害者だからこそ、ビジネス書を読んで、仕事を構造化して、型どおりにこなしていかなくてはならない。

会社で仕事をする、とはいったいどういうことなのだろうか。そもそも仕事とは、ということを考えると、学校で毎日繰り返されるメッセージ「他人の問題解決をすることで対価を得る」という言葉が思い返され、この本に書いてあるのもそれだと思い至る。仕事は自分よりもまず他人である。そうして仕事をすることではじめて自分が生きるということを、肝に銘じなくてはならない。

自分の価値観より会社の価値観を賢く利用」したほうが、結果的に自分の思うように仕事できる。「やりたい仕事」は捨て、「勝てる仕事」に注力する」というのも理屈は同じだ。自分の意志を一旦置くことで、最終的に自分がラクになるのである。


「みんなでやった」と言いましょう。仕事は1人で完結するわけではありません。関係者1人ひとりに「あなたのおかげでうまくいった。ありがとう」と感謝をすれば、相手はあなたに嫉妬しません。人は自分が落とされたり、誰かが1人だけ抜きん出たりすると嫉妬覚えます。逆に持ち上げられると嫉妬はしません。それどころか「いやいや、あなたのおかげです」とあなたを持ち上げてくれるのです。

長く引用したが、これもこの本に書いてあるとおりに、音声入力でダーッと読み上げて入力した。以前記事を売っていた時にはよくやっていた音声入力を、久しぶりにやった。便利なこともすぐに忘れてしまうから困る。

コンセプト通り、この本はものすごい速さで読める。仕事をしていない田中も、仕事をしている気分にもなった。ビジネスという名の風が、目の前を吹き抜けていく。そんな本だ。仕事について考えたい人にオススメする。

2019年6月16日日曜日

田中が行く池袋は


田中が4月1日から行っている「学校」、と呼んでいた場所は、正確には学校ではない。ではなになのかと言うと、よくわからない。発達障害者専門の就労移行支援事業所に通所している、というのが正式な言い方である。この就労移行支援事業というものは、支援する側がまずあり、支援することに対して役所からマネーをもらっているのだ。そのマネーがあるから支援される側は、無料で福祉サービスを受けている、ということになる。

が、その受けている福祉サービスとはいったいなになのか、最近よくわからなくなってきた。なにもしていない、とか言って、告発しようとしているのでない。たしかになんかやっているのである。それは仕事のままごとのようなもので、しかしよくできており、まさしく職業訓練と呼ぶにふさわしい。

田中はかつて自分が発達障害者だなんて思いもよらなかった失業期に、いわゆる職業訓練を受けて簿記検定2級を取得しているが、はてあれは職業訓練だったろうかと言えば、いま受けているものと比べた時、はなはだあやしい。あれは職業訓練という名前のモノであるに違いないが、実際の職業とはなにも関係していない。だから田中は簿記2級を取得してけっきょく、農業に従事することになったのである。

だから田中は、職業訓練という名の、社会にアジャストするための、福祉サービスを受けているのだな、と思っていたのだが、すると先日、その施設いわゆる学校からメールが来たのだ。東京都の指導により6月1日からみなさんには工賃を支払うことになりました。は?という話である。だって田中はなにひとつ働いていないし、ままごとをしているのだし、つまり何も生み出してはいないのである。ままごとで何かを作りそれをバザーで売ったりしているのではなく、ただよくできた偽物の会社に毎日通い、偽物の上司になんだかわからない文字の羅列された紙を持っていき、報告の練習をしたりしているだけなのだ。

それに対して工賃が出るという。工賃が出るとなれば、それは仕事なんじゃないか。とはいえ工賃は1日200yenだというから笑う。拘束5時間ままごと4時間である。時給50yenはアルバイトの最低賃金を大きく大きく下回っており、じゃあやはり仕事ではないのですね、ということになる。じゃあなんなんだよと。何のために工賃を支払うことにしたのだろう。不思議な話である。

一方でこの施設は、いわゆる転職支援人材業のように、田中に仕事を紹介し、企業から紹介料をもらうビジネスもやっている。そのおかげで田中は次の仕事が見つかるのかもしれないのだが、それにつけても田中は営業のエサなのである。そしてカウンセリングは、田中の心を癒す一方で、発達障害に関するデータどりに利用されていることも、田中にはわかっていることだ。いったいあそこは、田中が行く池袋は、なんなんだ。はやく抜け出したい、と思いながら、明日も田中は池袋に行くだろう。

2019年6月7日金曜日

手書きの履歴書を


障害者手帳をもらった田中の、就職活動がはじまっています。本日は病院に行くため、就労移行支援の学校がお休みでした。そこで病院に行った後ハローワークに出向き、最初に応募する企業の紹介状をもらいました。

さっそく試練でした。紹介状を出してもらうにあたって、応募企業からハローワークへ、履歴書は手書きでやってもらってくれ、と連絡がありました。いまどきそんなことありますかいな、とは思いましたが、お相手がそういうのですからということで、Excelでつくっておいた履歴書を、手書きで再現するのに本日一日が費やされました。

障害者雇用に対する応募で難しいのは、その募集が「障害者の募集」であって必ずしも「発達障害者の募集」ではないことです。いま通っている学校に直接来る募集なら発達障害の学校ですから発達障害者を募集していることが明らかですが、ハローワーク求人ではそれがわかりません。これについても紹介状をとるときに聞いてもらいましたが、「障害者ならば種類は問わずに募集は受け付けます」という微妙な答えしかもらえませんでした。まあこの質問の答えがどうでも、応募するつもりだったので、いいんすけどね。

学校では、障害者雇用のための応募書類はあらかたパソコン作成の応募書類が認められる、パソコンじゃダメ手書きじゃないとなんていう会社はこっちから願い下げくらいで構わない、と授業で習っていました。そしてさっそく例外にあたりました。10%くらい、はやくもこの会社じゃないのかなという思いが…笑。ふつうに残業も求められているし、障害者雇用の平均よりかなりキツイ業務なのかもしれない。が、田中はバリバリやりたいのです。ただ障害者手帳を持っているだけで、バリバリ障害者になりたいのです。

学校の同級生はどうも2-3社を掛け持ちで応募することが多いようですが、田中は第一志望から順に、一社ずつ受験することに決めました。第一志望と第二志望、第二志望と第三志望の間が、あまりに大差なので、一つずつやって決まったところに行きます。第三志望までで決められなかったときに、ようやく数社同時応募ということにしようと考えています。いずれにしろ失業保険が切れる秋までに決めなければなりません。だめだったら実家に帰って引きこもりとなります。

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